医療脱毛で硬毛化する頻度ってどれくらいなの?

今回も医師の田坂洋介がこの記事を執筆します。

医療脱毛の合併症で最も問題になるのは火傷硬毛化とされています。

特に火傷については熱破壊式のレーザーで非常に問題になります。

このリスクを考慮すると個人的には熱破壊式のレーザーの使用はおすすめしません。

もう一つの合併症の硬毛化についてはどうなのでしょうか。

『Paradoxical Hypertrichosis Associated with Laser and Light Therapy for Hair Removal:A Systematic Review and Meta-analysis』

この文献は硬毛化についての過去の文献をまとめて2021年に発表されたものです。

硬毛化についての報告は数多くありますが、どのような条件でどのような部位に発生して、治療はどうすれば良いのかはっきりしていない部分が多くありました。

過去の文献をまとめることで具体的な頻度を割り出しています。

9733人の患者さんを対象とした、2つのRCTと20個のコホート研究をまとめています。

これだけの人数を解析すればかなり正確な情報が得られると感じます。

硬毛化が起きる頻度は3%程度という結論です。

起きやすい部位は顔とうなじです。

それ以外では非常に珍しく、0.08%という結果になっています。

ただ、この研究には問題点があります。

この9788人が日本人とは限りません。

多くの人種を含んでいます。

皮膚の色を白いものから黒いものまで7段階に分けたスキントーンという分類があります。

日本人に多いのはⅢ~Ⅳです。

この日本人の肌の色に硬毛化が多いという意見があります。

また、日本では医療脱毛は自由診療で施術時間を短くして単価を下げる戦いが激しくなっています。

そのため、しっかりと照射していないクリニックも多いのではないでしょうか。

大手医療脱毛クリニックで勤務していた看護師数名に聞くと、

硬毛化は10人に1人程度で発生していたと言います。

この文献とかなりかけ離れた結果となっています。

当院で採用している3波長の蓄熱式のレーザー機器では硬毛化を起こす症例はほとんどありません。

結局、硬毛化が起きる頻度はどのくらいのなのでしょうか。

多いクリニックでは10%程度で硬毛化が起きています。

少ないクリニックではほとんど起きていません

平均的には3%程度。

これが実情なのではないでしょうか。

硬毛化はお顔うなじで起きることがほとんどだと考えられます。

硬毛化を起こさないためにはどうすれば良いのでしょうか。

硬毛化の原因はレーザー照射が弱いと起きやすいとされています。

中途半端に体毛を刺激するからです。

これは肌の色が黒い方では、ジェントルマックスのようなアレキサンドライトレーザーは痛みが強く火傷を起こすリスクが高くなります。

そのために照射エネルギーを弱くしていることが原因と考えられます。

3波長を使用した蓄熱式レーザーを使用すれば火傷と同じく硬毛化という現象も防ぐことが出来ると考えられます。

当院のエクレアプロではしっかり照射すれば硬毛化はほとんど起きません。

仮に硬毛化が起きたとしても照射を続けて行くことでしっかり脱毛が可能だと考えます。

お顔やうなじの照射では硬毛化に注意が必要ですね。

お顔やうなじではアレキサンドライトレーザーの熱破壊式ではなく、ソプラノやエクレアプロのような3波長の蓄熱式をお勧めします。

当院では、IPLや他院のレーザーで硬毛化してしまった患者さまの受け入れも可能ですので、お気軽にお問合せください。

特に、男性は硬毛化しやすいとされています。

大阪江坂や神戸三宮の方は通院も便利だと思います。

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