ソプラノのALMA社とメディオスターのAsclepion Laser Technologies社って何??中国製の脱毛レーザーって安全なの?

蓄熱式の脱毛レーザーはALMA社のソプラノシリーズとAsclepion Laser Technologies社のメディオスターシリーズが有名です。
しかし、これ以外にもたくさんのレーザー機器があり、どれが本当に良い機器なのか分かりにくいかと思います。
今回はモアナレーザークリニックの総院長が代表的なこの2つの会社について解説します。

ソプラノシリーズを作っているALMA社って何?

ALMA社はイスラエルに籍を置いている企業です。
イスラエルの製品と聞くとビックリするかもしれませんが、実はイスラエルは医療機器の開発では先進的な国なのです。
恐らく、規制の少なさが開発に大きく貢献しているのではないでしょうか。
例えば日本で医療機器を開発しようとすると、工場の認可などクリアすべきハードルが高く、市場の規模も小さいため開発コストの吸収が困難です。
また、臨床試験のハードルも高いです。
そのため、イスラエルで開発して世界展開した方が効率的と言えます。
ALMA社自体はイスラエルの会社ですが、香港に上場しているSisram Medical Ltd (1696.HK)の完全子会社です。
さらにSisram Medical Ltdは中国の大手のFosun Pharmaが大株主となっています。
実質的にALMA社は中国企業と言えます。
中国は製造国としてもかなり優秀ですし、レーザーの市場の多くは中国がシェアを握っています。
恐らくソプラノシリーズの機器のユニットには中華製のものが多く使われていると推測されます。
そして、その性能は世界トップクラスを誇るのです。
中国には他にも医療用レーザー機器を製造している多くの会社があります。
世界的には中国製のレーザー機器が最も多く使われていると考えられます。

メディオスターシリーズを作っているAsclepion Laser Technologies社って何?

メディオスターモノリス

Asclepion Laser Technologies社はドイツの光学産業の本拠地として世界的に有名なイエナ・オプティカル・バレーを本拠地としてレーザーの開発を行っています。
すでに500万人以上の治療実績を持つ老舗の一大メーカーです。
両メーカーとも世界各地に営業拠点を持ち、メディオスターに関しては日本の厚生労働省の認可すら取得している仕事の細やかさです。
市場規模から考えると日本の厚生労働省の認可を取得するメリットは低いのですが、 Asclepion Laser Technologies社 はそれだけ日本も大切にしていることが分かります。
メディオスターシリーズは実績だけでなく、その安心感やサポート体制にまでこだわりを持っていることが分かります。
さすが世界的企業だと思いますが、同時に日本にそのような企業が出て来る仕組みがないことが残念です。

中国製のレーザーって安心なの??

最近、日本に中国製のレーザー機器が大量に入ってくるようになってきました。
そのレーザー機器をALMA社製のレーザーだと偽っているクリニックが多いため問題になっています。
レーザー機器の構造は意外と単純です。
最近ではパソコンのようにユニット単位での組み立てが可能です。
主要部品となるレーザー素子、クーリングシステム、電源部、水冷ポンプ、モニター、本体のケースなど。
まるで自作パソコンのように組み立てることができます。
しかし、医療用レーザーとなるとその精度が大切になってきます。
組み立ての精度だけでなく、過電流が起きた場合に発火しないなど安全性に関する検査項目は非常に多岐に渡ります。
また、単に製品の検査だけでなく、その工場自体も審査対象となります。
中国であろうと日本であろうとこの安全性の考え方は変わりません。
しかし、製品によっては検査項目が少ない可能性があります。
中国国内向けの商品の場合は輸出向けに比べて基準が緩いことがあるのです。
我々医師はドクターズライセンスを使用して、海外製の医療機器を医師個人の責任で輸入し使用することができます。
そのため、機器の安全性までしっかり評価された医療機器を使用すべきだと思います。
まずは、国内向けの医療機器ではなく、海外向けの医療機器を購入すべきです。
そして、日本の厚生労働省の認可までは必要ないかと思いますが、一つの基準として権威のあるCEの認可のある製品だと安心ではないでしょうか。