今回は、蓄熱式レーザー機器であるラフィーユ(DEPI-DUO)について、レーザー機器に詳しいモアナレーザークリニック総院長の田坂洋介が、医師目線で解説します。

使用波長は755nmと808nm

ラフィーユは某クリニックオリジナルのレーザー機器です。
この機種は、韓国のGTG wellness社が製造しているDEPIシリーズのDUOという機種の亜系です。
GTCが製造したクリニックのオリジナルレーザーは、DEPI-PLUSなどが他の大手エステ系の医療脱毛クリニックでも採用されています。

DEPIシリーズの「DUO」というのは、ふたつの波長を出すことが出来るという意味を持っています。
医療脱毛に使用される波長は、主に下記の3つ。

①アレキサンドライトレーザーの750nm
②ダイオードレーザーの810nm
③ヤグレーザーの1064nm

DEPI-DUOはこの内、755nmと808nmのふたつの波長を照射することができ、同時・個別どちらでも照射することが可能です。
（755nmで300W 、808nmで480Wの出力です。）

某クリニックが使用しているラフィーユに関しては、808nmのダイオードレーザーのようです。
DEPI-DUOなら、755nmと808nmの両方を同時に照射することが出来るはずですし、ハンドピースの形状もラフィーユとDUOでは違いがあります。

ラフィーユは808nmだけに機能を絞って製作しているのでしょうか？
確かに、755nmのレーザーは出力が弱いようですし、755nmと808nmの波長は性質が似ているため要らない機能かもしれません。

ふたつ照射できるのであれば、ソプラノのように深部用に1064nmのヤグレーザーの波長が欲しいところ。
メディオスターの場合、深部用のダイオードは940nmと長めのダイオードレーザーを使用しています。

DEPI-DUOは波長が短く、脱毛できる体毛の種類の守備範囲は広くないと考えられます。
VIOなど太い体毛は苦手かもしれません。

照射速度

照射口のサイズは12×27mm(3.24cm2)と大きめ。
1秒間に8ショットの照射が可能ですので、25.9cm2/sの照射速度となります。
全身脱毛をする速度はそれほど早くはなく、標準的です。

DEPI-DUOの特徴

・755nmと808nmのふたつのレーザーを打つことが可能
・ふたつの波長を打ち分けできる
・照射口が大きめで、照射回数が少なめ
・照射速度は標準的

最近は複数波長のレーザーが増えてきている？

体毛はさまざまな位置に潜んでおり、細い体毛は浅い部位に毛根があり、太い体毛は深い部位に毛根があります。
すべての毛根にアタックするためには、3つの波長が異なるレーザーを打ち分けする必要があります。

Moanaレーザークリニックで取り扱っているのエクレアプロは3波長ですので、1台ですべての体毛を脱毛することができます。

しかし、3波長のレーザーは価格が高いです。
この価格の問題さえクリアできれば、蓄熱式の理想のレーザーは3波長と言い切れるのではないでしょうか。