VENUS VELOCITYという蓄熱式レーザー機器ってどうなの?

レーザー脱毛機器に詳しいモアナレーザークリニック総院長の田坂洋介が医師目線でレーザー機器について解説します。

波長は800nm

この機器はイスラエルのVenus Concept社が製造しています。

イスラエルというとALMA社のソプラノプラチナムやチタニウムが有名ですが、まさにこのソプラノシリーズを超えるべくして開発されています。

ソプラノシリーズの一番の欠点は価格です。

実は今の時代ではレーザーの製造自体にそれほどお金はかかりません。

最も高いパーツはレーザーを出すレーザー素子です。

これがレーザー機器の中のメインと言っても良いと思います。

そして、このレーザー素子もかなり価格は安くなってきました。

それでもソプラノシリーズはかなりの高価格を維持しています。

そこに他社のレーザー機器が付け入る隙があると思います。

Venus Concept社の戦略はレーザー素子を単純化しました。

ソプラノシリーズのように3波長ではなく800nmのみという戦略を取ったのです。

ダイオードレーザーだけなら価格を下げることができます。

そして、脱毛効率もなかなか良いのです。

価格と効率を考えた時にベストバランスなのかもしれません。

照射速度

注目すべきはレーザーの照射口のサイズです。

先端のアタッチメント交換でサイズ変更が簡単にできます。

最大サイズがなんと7cm2(35nm×20nm)もあるのです。

1秒間に3回の照射が推奨されています。

このスポットサイズはメディオスターがライバルと言えます。

1秒間に21cm2の面積の照射が可能になっています。

メディオスターネクストプロやソプラノプラチナムと真っ向勝負に出たレーザー機器と言っても良いのかもしれません。

この価格帯でソプラノプラチナムと戦える時代になったのです。

電源は100Vです。

ターゲットとする深さを800nmの波長領域のみに絞ることで電圧を抑えているのだと推測します。

そのため、100Vの電源で導入できるのです。

多くのレーザーが200Vだったりするので、この点も嬉しいところです。

VENUS VELOCITYで患者さんの脱毛を始めて、最後に他の多波長の機種を使用するとクオリティを維持したまま完全な脱毛が出来るのではないでしょうか。

日本国内でサポートを受けれる点も安心です。

VENUS VELOCITYの特徴

使用波長は800nm。

照射口が大きく、3Hzで照射できる。

100Vで作動できる。

注目すべきは価格。

レーザー脱毛機器の価格

高級機種の場合は1台で1500万程度します。

しかし、最近はレーザー素子の価格も下がりました。

このままの高価格を維持していくことは不可能でしょう。

機器の価格が下がるにつれて、医療脱毛とエステ脱毛の価格も近づいていくことでしょう。

そして、脱毛効果や安全性を考えると医療脱毛が生き残ることになるはずです。

その時にエステ脱毛はなくなってしまうのではないでしょうか。

今はその過渡期だと感じます。

脱毛は針脱毛の時代からIPLを使った光脱毛の時代、レーザー脱毛の時代と変遷してきています。

これからの時代は誰もが気軽にレーザーで美しさを手に入れることができる時代になることでしょう。