レーザー機器に詳しいモアナレーザークリニック総院長の田坂洋介が医師目線でレーザー機器について解説します。
使用波長は808nm
クリスタルプロは某クリニックオリジナルのレーザー名です。
この機種は韓国のGTG wellness社が製造しているDEPI-PLUSというダイオードレーザーです。
医療脱毛に使用される波長はアレキサンドライトレーザーの750nm、ダイオードレーザーの810nm、ヤグレーザーの1064nmの3つあります。
クリスタルプロの808nmはダイオードレーザーに相当します。
ダイオードレーザーはアレキサンドライトレーザーに比べて波長が長くメラニンに吸収されにくくなります。
そのため、このレーザーは日本人の肌の色に合っているとも言えます。
しかし、ダイオードレーザーは深部の体毛の脱毛は苦手としています。
追加でヤグレーザーの照射が必要になる可能性もあります。
産毛の脱毛も得意ではないのでお顔の脱毛にも不向きかもしれません。
脱毛の初心者向きのレーザーといえます。
照射速度
照射口のサイズは12×15mm(1.8cm2)とかなり小さい機種です。
1秒間に10ショットの照射が可能ですが、照射口が小さいので大きな面積の照射は苦手としています。
1秒間に18cm2の面積を照射することができる能力と言えます。
全身脱毛をするにはかなりの時間がかかるでしょう。
ハンドピースはダイオード素子だけなのでかなり軽量です。
そのため、照射する看護師の負担は少ないです。
600Wという弱いパワーは旧世代の機種という扱いになります。
単波長で照射パワーも弱く時間がかかるレーザーですので、今後の出番は減って行くと予想されます。
DEPI-PLUS (クリスタルプロ)の特徴
ダイオードレーザーの蓄熱式。
照射口が小さく、出力も弱い。
施術に時間がかかるので新世代の蓄熱式やショット式に負けてしまう。
クリスタルプロⅡという蓄熱式レーザー脱毛器の性能はどうなの?
クリスタルプロにはクリスタルプロⅡという後継機があるようです。
ダイオードレーザーの次の機種なので波長を進化させてきました。
使用波長は3波長
最新の蓄熱式は3波長が主流ですが、この機種も3波長を採用しているようです。
ヤグレーザーまで含んでいるのでVIOや男性のヒゲの脱毛も効率よく施術できます。
ダイオードレーザーのクリスタルプロから波長は進化を遂げています。
ただ、照射口はかなり小さく見えます。
ALMA社のソプラノチタニウムは4cm2ありますが、クリスタルプロⅡはその半分程度に見えます。
正確な照射面積は分からないですが、照射速度は早くないと分かります。
そのため、ヒゲやVIOなど限定した部位で使用すると良いかと感じます。
脱毛の質はかなり高いと思います。
ALMA社のソプラノプラチナムがライバルでしょうか。
低価格で施術が出来て、レーザーの質も良いので良い時代になって来たと感じます。
クリスタルプロⅡの特徴
脱毛の質が良い。
これ1台で脱毛が完了する。
施術速度は最速ではない。
レーザーの出力ってどうやって分かるの?
照射口からレーザーが出てきます。
そのレーザーの強さは○J/cm2で表現されます。
例えば7J/cm2の強さで4cm2の面積の照射口からレーザーが出てきた場合は、7×4=28Jの出力だと分かります。
これを1秒間に10回照射することができるのであれば、28×10=280J/秒のレーザーの出力だということになります。
これが大きければ大きいほど早く照射が可能と判断できます。
最新の機種では当院のエクレアプロのように280J/秒の照射を余裕でこなすハイパワー機器が登場してきています。
ここまでハイパワーになると施術室で暖房を動かしているのと同じようなことになります。
つまり、空調のパワーも必要になってきます。
レーザー機器の電源自体の強化も求められて来ます。
クリニック設計の時には注意が必要です。