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レーザー機器に詳しいモアナレーザークリニック総院長の田坂洋介が医師目線でレーザー機器について解説します。
![](https://moana.clinic/wp-content/uploads/2022/04/レーザー素子-300x207.png)
使用波長は3波長
ヴィーナスワンはウィクリニックが開発に携わっているレーザー機器のようです。
LASARMACH(SHARK)と同じようにアリゾナ州にあるlasertel社のレーザー素子を使用しています。
このレーザー素子は定番というべき性能の高さで信頼性の高いものです。
3種類の小さなレーザー素子をサンドイッチ状に配列してミックスして照射することができます。
医療脱毛に効果的なアレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザーが出力されることで、全てのタイプの体毛にこれ1台で対応が可能です。
このレーザーを導入するクリニックが増えていることからもその性能の高さが分かります。
この方式は脱毛効果が高いだけでなく、火傷や硬毛化のリスクが低いので安全性も高いです。
蓄熱式3波長がこれからの時代の医療脱毛の主流になることは間違いないと思います。
照射速度
![](https://moana.clinic/wp-content/uploads/2022/04/ヴィーナスワン-300x224.png)
設定によっては1秒間に15回以上照射する能力があるようです。
実際の設定では10Hzが基本とされます。
照射面積のサイズが分からないのですが、2cm2に近いサイズだと推測します。
1秒間に20cm2程度を照射する能力があると推測されます。
ヴィーナスワンは改良を重ねているので、照射口が大きい新型も開発されると予想します。
この2cm2に近いサイズの照射口は大きな面積は得意としません。
脱毛の質は最高なのですが、速度は遅いと言えます。
その点、速度の速いショット式の機器がライバルとなってしまうことでしょう。
脱毛の質が良いだけに、速度で負けてしまうのは残念です。
照射面積が4cm2程度の製品が登場すれば、ショット式より優れていると言えると思います。
設定の細かさ
蓄熱式レーザーの特徴はその安全域の広さです。
蓄熱式ではショット式のレーザーの3分の1程度のフルエンス(1回の照射エネルギー)を連続照射します。
小分けに照射されたレーザーは皮膚のメラニン色素にも吸収されますが、すぐに冷却されます。
そのため、ショット式に比べて皮膚の温度は上がりません。
この安全性の高さによって蓄熱式レーザーは設定の許容幅が広くなります。
体毛のタイプによって、細かくパルス幅などの設定を変える必要はありません。
1つの設定でほぼ許容されてしまうのです。
それでも、ヴィーナスワンでは照射パルス幅を指定することができます。
これはかなりマニアックとも言えます。
太い体毛、細い体毛などターゲットに合わせて照射することさえ出来てしまいます。
このヴィーナスワンを使いこなすには知識が必要です。
特に施術を担当するナースにその知識が求められます。
そのため、開発元のウィクリニックでは教育体制も強化しているようです。
この細やかな設定を使いこなせるのであれば、かなり良い脱毛機器と言えると思います。
ALMA社のソプラノプラチナムがライバルで、より細やかな設定ができる機種と言えると思います。
ヴィーナスワンの特徴
3波長蓄熱式という優れたレーザー素子を内蔵している。
ウィクリニックが開発に関わているという点が大きな特徴。
照射パルス幅の変更ができる。
高速照射ができる。
照射口は小さめで、施術に時間がかかると推測される。
硬毛化のリスクも低く、産毛から太い体毛まで効果が期待できる。
照射パルス幅ってなに?
1発のレーザー照射の時間のことです。
体毛に熱が溜まっている時間は比較的長いです。
50ms程度は熱をキープできると考えられています。
そのため、脱毛では10ms~50msのようなミリ秒単位のパルス波のレーザーを使用します。
この程度の照射時間であれば体毛の温度をゆっくりと上昇させることができます。
そして、その間に皮膚をクーリングします。
体毛の温度を上げて、皮膚の温度を上げないように工夫しているのです。