
脱毛したはずなのに逆に体毛が太くなることがあります。
これは硬毛化という現象で知られています。
特にエステ脱毛で多い現象ですが、レーザー脱毛でも起きることがあります。
うなじ、背中、二の腕が好発部位です。
今回もモアナの総院長が体毛の硬毛化について解説しましょう。

硬毛化ってなに??
体毛は中途半端にダメージを受けると太くなることがあります。
これが硬毛化という現象です。
人間の体毛はもともと、外部からの刺激から体を守る役割がありました。
しかし、進化の過程で人間は服を着るようになります。
服があることによって、人間は体毛で身体を守る必要性が低くなったのです。
役に立たなくなった体毛は、細く小さく進化したと考えられます。
太くて強い体毛を維持するには、多くのエネルギーや栄養素が必要です。
これを節約することが進化の過程では大切だったと思われます。
進化の過程のある時点で人間の体毛の節約のスイッチが押されたのです。
普段はこれでよいのですが、外部から強烈な刺激が入ると節約している場合ではありません。
時に体毛はこの節約のスイッチをオフにして立ち上がります。
眠っていた体毛の力が解放されて太く力強い体毛に戻るのです。
現代の人間においても、うなじや背中、二の腕の体毛には体を守るという意識がまだ残っているのです。
硬毛化の原因は光刺激や老化など!?
お年寄りの方で眉や鼻毛が太いことがありますよね。
これも硬毛化の現象です。
これは紫外線や酸化ストレスなどのダメージをきっかけとして、硬毛化が起きていると考えることができます。
IPLやレーザーを使った脱毛でも同じように硬毛化が起きることがあります。
脱毛するためには発毛をつかさどっている毛根やバルジ領域をしっかりと破壊することが大切です。
中途半端な熱量であったり、レーザーの波長の選択ミスが原因で毛根の破壊に失敗すると硬毛化の原因となってしまうのです。
硬毛化するとレーザーが効きにくくなる!!エクレアプロは硬毛化した体毛にも効果的!

まず、体毛の解剖を見てみましょう。
体毛の一番根元には毛根があります。
根元で太くなっているところが毛根です。
ここでは毛乳頭と言われる毛細血管を毛母細胞が取り囲むように存在しています。
毛乳頭からたくさんの栄養を受け取った毛母細胞は細胞分裂し体毛になっていきます。
この毛母細胞は何度も細胞分裂できますが、やがて死滅して居なくなってしまいます。
そこで常に毛根に毛母細胞を補給する必要が出てきます。
毛母細胞はバルジ領域と言われるエリアから供給されています。
永久脱毛をするには、発毛をつかさどっている毛根部やバルジ領域を破壊すれば良いことが分かりますよね。
深い所にある毛根を破壊するのが熱破壊式と呼ばれる従来型のレーザーです。
浅い部位にあるバルジ領域を破壊するのが、モアナでも採用している蓄熱式と呼ばれる新しいタイプのレーザーです。
硬毛化した体毛の毛根は皮膚深く潜り込んでしまいます。
レーザーが届かないほど深いところまで潜り込んでしまった毛根は熱破壊式レーザーでの脱毛の難易度が上がってしまうのです。
では、深いところにある毛根を破壊するにはどうすれば良いでしょうか。
- ヤグレーザーを使用する

ヤグレーザーの波長は1064nmとかなり長く、皮膚の深部まで届きます。
そのため、ヤグレーザーは硬毛化した体毛にも効果が期待できるのです。
ただ、硬毛化してしまうとヤグレーザーが届きにくい深さまで毛根が入り込んでしまうことも多いです。
- 照射エネルギー量を増やす
レーザーのフルエンス(照射エネルギー量)を増やして強く熱を入れれば、毛根に届くかもしれません。
そのため、硬毛化した体毛には強めの設定とすることが多いのです。
- 時間をあける
体毛にはヘアサイクルがあります。
成長期の体毛の毛根は深いところにありますが、いつかは休止期を経てまた成長期に戻ってきます。
このタイミングで再度照射すれば脱毛が可能です。
以上の方法が古くから行われていた硬毛化した体毛への対策です。
一度硬毛化させてしまうとかなり厄介なのです。
かなりの時間をかけて何度もレーザーを照射することになります。
しかし、3波長蓄熱式レーザーが登場したことで、硬毛化した体毛に効果的な新しい方法が生まれました。
- ヤグレーザーを使った蓄熱式脱毛機を使用する。

当院の脱毛機エクレアプロがこのタイプのものです。
蓄熱式脱毛機の原理はバルジ領域の破壊です。
バルジ領域は硬毛化しても毛根とは違って基本的に移動しません。
バルジ領域は毛包系の幹細胞が住んでいるエリアであり移動しないという特徴があります。
浅い部位にあるバルジ領域であれば、例え硬毛化していても破壊が可能です。
硬毛化する体毛は元々、深い部位にある体毛である可能性が高いです。
そのため、深部に届きやすいヤグレーザーを使用した蓄熱式照射が有効なのです。
- それでもダメなら針脱毛に切り替える
3波長の蓄熱式レーザーが最強のレーザーとされています。
それでも硬毛化した体毛に効果がない場合はレーザーを諦めて針脱毛を行います。
昔の方は、みなさん針脱毛で脱毛していました。
1本1本細い針を使って電気を流して体毛を抜いていくのです。
今でも針脱毛は行われています。
針脱毛は白髪や硬毛化した体毛などでも脱毛が可能なので最強の脱毛方法です。
また、細かい部位でのデザインも可能なので今でも現役の脱毛方法なのです。
結論
やけどや硬毛化などの合併症を考慮すると3波長蓄熱式のレーザーを最初から使用すべきでしょう。
もちろん硬毛化してからでもエクレアプロは効果的です。
エクレアプロの登場で医療脱毛も変わって行くことだと思います。
合併症の少ない高速蓄熱式レーザーは革命的なイベントだったと考えます。
硬毛化や火傷、痛みなどの合併症で悩まれている方は、是非モアナのレーザーを試してみてください。
安全性が高く、痛みも少なく、効果も高い。
きっとエクレアプロが次世代の脱毛機の主役となると感じて頂けることでしょう。