体毛を薄くしたい。
これは可能です。
確かにレーザーを照射すると体毛は薄くなります。
では、体毛を細くしたい。
実はこれはできないのです。
これはどういうことなのでしょうか。
今回もモアナレーザークリニックの医師が解説します。
レーザーで脱毛できる理由とは・・・
医療脱毛はレーザーを使用します。
まずはその原理をおさらいしましょう。
照射されたレーザーは体毛に含まれているメラニンという黒っぽい色素に吸収されます。
吸収されたレーザーは光エネルギーから熱エネルギーへと変換されます。
熱くなった体毛によって、その周辺の発毛に関わる細胞が死滅します。
これで発毛が起こらなくなるのです。
熱破壊式という照射方法では体毛の根元の毛母細胞を破壊します。
体毛自体も熱によって破壊されるため、照射された体毛はすぐに抜けてきます。
一方、蓄熱式という照射方法ではより浅い部位のバルジ領域と呼ばれる毛包幹細胞がいる領域を破壊します。
体毛自体の破壊はそれほど起きないため、照射された体毛が抜けて来るのに数週間ほどかかります。
医療脱毛で使用するレーザーはアレキサンドライト、ダイオード、ヤグレーザーが主役です。
それぞれ波長に違いがあり、皮膚の中への到達具合が違います。
アレキサンドライトは波長が短く皮膚の浅い部位で吸収が起こります。
そのため体表近くの浅い部位の脱毛を得意としています。
ヤグレーザーは深部まで到達できるため男性のヒゲのような深い部位の体毛を得意としています。
硬毛化した太い体毛にヤグレーザーが使用されるのもそのためです。
このように狙った深さによって波長を使い分ける必要があるのです。
体毛を細くは出来ない理由とは・・・
照射されたレーザーはメラニン色素に均等に吸収されます。
細い体毛よりも太い体毛の方がメラニンが多いです。
つまり太い体毛の方が吸収されるエネルギーが大きくなり熱くなりやすく脱毛されやすいのです。
そのため医療脱毛を行う際には、まずは太い体毛にフォーカスを設定します。
このようにして太い体毛が適正な温度になるようにエネルギーを設定してレーザーを照射するのです。
これで太い体毛から脱毛されていくのです。
一方、その設定だと細い体毛はそれほど熱くはなりません。
そのため、細い体毛は脱毛されずに次回の照射を待つことになります。
このようにして、太い体毛が細くなっていくわけではなく、太い体毛から脱毛されていなくなって行くのです。
細い体毛は照射されても生き抜いていきますから、全体として体毛の本数は減っていきます。
体毛は本数が減ることで薄くはなりますが、体毛が細くはならない理由がお分かり頂けましたでしょうか。
照射された体毛は細くなるのではなく、そのまま死んで行くのです。
では、VIOや男性のヒゲのような部位にレーザー脱毛を数回のみ中途半端な回数で照射するとどのようになるのでしょうか。
全体として本数は減って行きますが、細くはなりません。
つまり、ヒゲがまばらになって行くのです。
中途半端な照射回数だと微妙な結果になってしまうことがお分かり頂けましたでしょうか。
レーザー脱毛はある程度のまとまった回数がおすすめです。
当院のプランが5回、8回などとまとまった回数で設定されているのもそのためだったのです。
細い体毛をなくすにはどうすればよいの?
熱破壊式の場合は、産毛のような細い体毛は太い体毛をなくしてからでないと脱毛はできません。
太い体毛の方が先に熱くなりやすいため、それ以上にレーザーを照射することが出来ないからです。
細い体毛に合わせて設定して照射するとエネルギー量が多すぎて火傷してしまうことでしょう。
産毛は難敵なのです。
また、産毛はレーザーを吸収するメラニンが少ないという問題があります。
1回のエネルギー量を増やしても上手くレーザーを吸収してくれません。
産毛の脱毛にはたくさんの美容上のメリットがあります。
産毛を攻略するには蓄熱式レーザーを使用します。
弱いレーザーを複数回照射することで産毛に与える熱量を増やすことができるのです。
当院で使用するレーザーは高速照射が可能なため、産毛の脱毛を得意としています。
参照:産毛脱毛は美容に良いって本当??そのメリットと蓄熱式レーザー
【この記事はモアナレーザークリニックの代表医師が自ら執筆しました。】
私の専門はAGAなどの発毛治療と手術麻酔です。
毛を生やす治療と痛みをなくす治療を得意としています。
痛みを最小限にしつつ発毛細胞を居なくするにはレーザーの使い方にコツがあります。