レーザー機器に詳しいモアナレーザークリニック総院長の田坂洋介が医師目線でレーザー機器について解説します。
使用波長は3波長
LASERMACHはWingderm Electro-Optics Ltd.が製造している中華製レーザー機器です。
組み立てを中国で行うと中華製とされますが、メインとなるレーザー素子はアリゾナ州のLasertel社が製造しクーリングシステムは日立製です。
性能も高く信頼性は高いと考えられます。
この機種は医療脱毛で効果的とされる3つの波長を全て照射します。
アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザーです。
この3波長の蓄熱式は非常に優れており、モアナレーザークリニックでもこの3波長システムにこだわりました。
産毛から太い体毛まで漏れなく照射でき、硬毛化のリスクも低いです。
時代に合ったレーザー機器と言えるでしょう。
照射速度
1秒間に10ショットが可能です。
この速度は最速の部類に入ります。
ただ、照射口のサイズが12x20mm(2.4cm2)と小型です。
1秒間に24cm2を照射することが出来る能力と言えます。
この機種では照射面積が大きい部位は時間がかかるため不得意となります。
小部位での使用であれば、かなり高性能と言えると思います。
ライバル機種はALMA社のソプラノプラチナムでしょうか。
ほぼ同性能と言えると思います。
使用ソフト
蓄熱式レーザーは1部位に小分けに何度もレーザーを照射します。
この照射エネルギー量を合計した値が47J/cm2になるのが、最も効率のよい医療脱毛とされます。
しかし、施術者によってハンドピースを動かす速度が変わってしまいます。
照射口を1秒間に何センチ動かすと規定する方法もありますが、これではかなり誤差が大きくなってしまいます。
そこで照射面積当たりの必要照射時間を計算して、照射時間でエネルギー量を管理するのが合理的だと感じます。
このLASERMACHのシステムは面積とフルエンスを入力すると照射時間を計算してくれます。
非常に優れた方式だと思います。
これはALMA社のソプラノシリーズやAsclepion社のメディオスターシリーズも採用している方式です。
LASERMACH(SHARK)の特徴
3波長蓄熱式という優れたレーザー素子を内蔵している。
高速照射ができる。
照射口が2.4cm2と小さいので小部位の照射に適している。
全身脱毛など大きい部位で使用すると時間がかかる。
硬毛化のリスクが低く、産毛から太い体毛まで効果が期待できる。
3波長レーザーの大きな利点とは・・・
脱毛効果自体は波長の数を増やしても変わりません。
それでも3波長にするには理由があります。
体毛には浅いものや深いものがあります。
単波長式レーザーの場合はある程度照射回数を重ねると、別の波長に切り替えることで全ての深さの体毛を脱毛することができます。
そのため、数種類のレーザー機器が必要になります。
これはクリニックにとっては金額的にもスペース的にも負担であり、医療脱毛の価格が上がる原因でもあります。
最近はレーザー素子が優秀になってきたため、3波長を同時に出力できるようになってきました。
単一波長のレーザーでは硬毛化のリスクが大きいということも3波長が選ばれる大きな要因となっています。