永久脱毛ってなに??いつまで生えてこないの?エステの脱毛でも永久脱毛はできるの??

実は『永久脱毛』という言葉は医学用語にはありません。
医学では言葉の意味を正確に定義することが多いですが、『永久脱毛』という用語はまだ定義されていません。
そのため、誤解を招くことがあります。
アメリカでは『permanent hair removal』という永久脱毛に似た言葉の定義があり、日本はその点で遅れています。
今回もモアナレーザークリニックの医師が解説します。

『永久脱毛』とはなんだろう・・・

私達が永久脱毛と聞いて想像するのは、施術した部位から永久に体毛が生えて来なくなることではないでしょうか。
例えば、足の体毛の永久脱毛をした場合は、足から二度と体毛が生えてこないことを想像します。
これを実現するには、すでに生えている体毛を100%脱毛するだけでなく、さらに施術範囲に存在するこれから生えて来る予定の体毛も全てやっつける必要があります。
実はこれは至難の業です。
アメリカでは2つの組織が『permanent hair removal』の定義をしています。
一つは米国電気脱毛協会(American Electrology Association)です。
ここでは最終脱毛から1ヶ月後の毛の再生率が20%以下の状態と定義しています。
もう一つは米国FDA(Food&Drug Administration)です。
FDAでは3回のレーザーの照射後、6ヶ月経過した時点で3分の2以上の毛が減っている状態と定義しています。
これら二つの定義は永久脱毛やpermanent hair removalという言葉の響きからするとかなり甘い定義ではないでしょうか。
体毛は年齢と共に変化します。
以前は活動していなかった発毛細胞も年齢と共に活性化して体毛を生やすようになることがあります。
年齢と共に毛深くなってきたことがあると感じたことはありませんか。
これがその現象です。
このように体毛は常に変化しているものなのです。
施術の時点ですでに生えている体毛を生えなくするのが現代の脱毛のやり方で、まだ発毛を起こしていない発毛細胞を破壊することは今の医学では出来ません。
これは針脱毛であっても、レーザー脱毛であっても同じです。
これではみなさんが想像する永久脱毛とは言えないと思います。
実は永久脱毛を本当に実現するためにはある程度の脱毛の施術回数と時間が必要になるのです。
足の体毛のレーザー脱毛の場合は5回の照射後から半年経過した時に観察すると90%の体毛の脱毛が可能とされています。
その効果はかなり長く続きますが、のちに体毛を作る細胞が活性化して育って来る可能性があります。
言い方を変えると、半年後の評価でまだ10%の体毛が存在し、なおかつまた新しく体毛が増えて来る可能性があるということなのです。
若い方であればあるほど新しく体毛を作る細胞が活性化する確率が高いため、再照射が必要になることがあります。
思春期の医療脱毛の効果が安定しないと言われるのはこのためです。
私達クリニックが施術するレーザー脱毛はこのような性質のものなのです。
治療効果はかなり高いのですが、素早く完全に脱毛できるというわけではないのです。
これはショット式であっても蓄熱式であっても同じです。
医療脱毛は場合によっては追加の施術が必要になることがあります。
それを前提にクリニックでは治療コースが作られているべきだと思います。
モアナレーザークリニックでは追加の施術の場合は過去の割引率を引き継ぐことができます。
追加の施術の1回当たりの価格が以前より高くなることはありませんのでご安心ください。

エステの脱毛ってなんだろう?

医療脱毛とエステの脱毛にはどのような違いがあるのでしょうか。
医療脱毛では体毛を生やす細胞を破壊します。
これは毛母細胞や、バルジ領域にいる発毛に関わっている細胞のことです。
これらの細胞を破壊すると発毛が起きなくなります。
しかし、これらの細胞を破壊することが許されているのは医師や看護師だけなのです。
これは過去に無免許での施術トラブルが多かったため、体の一部でも破壊する行為は医療行為という扱いになった歴史があります。
そのため、レーザー脱毛や針脱毛のような破壊行為には医師免許が必要とされるようになりました。
医療行為であれば免許制であり、責任の所在もはっきりします。
トラブルが起きても無責任に経営者である医師が逃げるようなことも起きにくいでしょう。

一方、エステでは細胞の破壊を行うことは許されておりません。
そのため、IPLという弱い光で脱毛することが多いです。
IPLでの脱毛は皮膚にも無駄な熱が入ってしまい非効率的ですし、出力を上げると硬毛化などのトラブルも増えてしまいます。
永久脱毛には向いていませんが、一時的な減毛としては問題ないと考えられています。